The Shapes of Japanese Confectionaries

和菓子のかたち展で知った、

和菓子たちの姿形が美しくて

描かずにはいられなかったので、同時に

情景が知りたいものを調べてみた!

という回。長々だけども私自身は大満足笑

 

I went "more◯△□" exhibition held in Toraya(japanese confectionaries shop) and drew pictures of confectionaries which are called "Wagashi".They are designed beautiful with four seasons  and lovely everyday things, so they're are often named from "KIGO" (seasonal words) and told us the value of the sense of seasons.

 

花筵 HANAMUSHIRO

flower carpet

→お花見気分になれて華やか。

 

曙 AKEBONO

morning light through the breaks in the clouds

→外側の黄色い餡の隙間から内側の

ピンク色の餡が少し見えているところが

雲間から朝日が覗く様を

的確に表現している気がして素敵。

 

遠緑 TO-MIDORI

verdure of the hills

→あえて地のピンク色ではなく

乗せられている緑の部分に着目した名前

であるところが最高。

 

初螢 HATSUHOTARU

the first fireflies in this year

→黄色い餡が葛で包まれていて

儚げだったり朧げな光の感じが素敵。

 

紫陽花 AJISAI

hydrangea

→琥珀糖で雫を表しているところが

種類の多いきんとんの中で

紫陽花ならではだと思うので注目?

 

巻水 MAKIMIZU

watering

→水紋のデザイン。

お持たせでこれ出したら最高に

シックでカッコいい。

 

初雁 HATSUKARI

(その年初めて飛来した雁)

arival of the first gesse

→注: 雁の季語について

 薯蕷製のお菓子。

つくね芋を使っているとのことだけど、

芋を和菓子に使っているのは知らなかった。

あと元々は棹菓子(蒸し羊羹)だったらしく

他のお店だと似たデザインで

まだ羊羹で出しているところもあるみたい。

 

花林 HANABAYASHI(迎春花、黄梅)

jasminum nudiflorum

→和菓子はワビサビ重視と思っていたけれど

色が想像より少しビビッドで驚いた。

でもその代わりに形がシンプルなので

おしゃれ上級者の引き算感があるかも笑

 

玉柏 TAMAGASHIWA(玉堅磐=固い岩)

beautiful hard rock

→モチーフとなっている、硬い岩に

生える植物の健気さに馳せつつ食すと

幸せに浸れそうな気がする。

 

ルーブルの光・黄

Yellow lights of Louvre

→パリ店限定らしい。

モード、ファッション、という言葉が

頭の中に浮かばざるを得ないデザイン。

 

巳 Mi

snake (the one of twelve zodiac signs)

→多分限定の和菓子なんだと思う。

売っているところを何気に見たことがない。

ザシンプル。でもあえて

三角形にしたところが流石、、、。

 

花衣(花見に出かける衣装)

dress for a cherry blossom viewing party

→餡子が正に服を纏っている様に見える。

 

水無月 MINAZUKI

June

→水無月祓い、の行事にちなんだ

お菓子らしい。身の汚れを人形に移す行事。

とらやに関わらず、私の家では

かなりの回数頂いたことがある和菓子。

夏になると想像するもののひとつかも。

三角形は氷をイメージしている

という説があるらしいと聞いてから、

食べると涼しい気がする笑

 

丘 OKA

hills

 昭和54年(1979)の歌会始のお題「丘」

にちなんで考案された和菓子。

丘にある満開の桜の中で鳥たちが

戯れている様子を表しているらしい。

抽象的なデザインが斬新かも。

 

風の薫 KAZENOKAORI

balmy breeze

 薫風に早苗がそよぐ様子、ということ。

爽やかな色だから緑茶と食したい感じ?

 

木蔭の水 KOKAGENOMIZU

water place in the shade of tree

→色のコントラストもだけど素材の違いが

さらに雰囲気を際立たせている気がする。

青い琥珀羹と白の道明寺が使われているらしい。

 

霜の葉 SHIMONOHA

frosted leaves

 霜にあたって紅色に変わった葉を

表しているらしい。白と緑の間だけ

ポンポンと赤くしているのが好き。

 

薄氷 USURAI

verglas (thin ice)

 氷の中に閉じ込められた紅葉を

イメージしているらしいけれど、あえて

紅葉なのに焦茶、そして使っている色が

2色だけというところが水墨画みたいで

素敵なところだと思う。

 

雪餅 YUKIMOCHI

blanket of snow

→雪が降り止んだ翌朝の晴天の下の

地面を表現しているらしい。

降り積もった雪の白とその下の

大地の茶色だけじゃなくて迫り来る、

春を黄色で表現し大地の下に忍ばせている

気がする。春を待つ冬に相応しい、

気分が明るくお菓子だと思う。

 

玉手箱 TAMATEBAKO

casket

→「玉」というだけで美しいものを

表わしているらしい。販売期間は冬

で色的にも春だと思ってたから

意外だった。日本のイベントでは

ないが、プレゼントのイメージから

クリスマスを想起させるかも。

 

水山吹 MIZUYAMABUKI

(川岸に咲く山吹の花)

waterside flowers (kerria)

 上下の黄色は川岸に咲く山吹で

中段の黒は川を表しているらしい。

川を水色ではなくて黒にしているところが

気になった。勝手に黄色と黒で虎?

と考えていたけれど、清流なのになぜ黒?

スケッチしたままを表したからだろうか?

リアルに忠実、とか?

 

夜の梅 YORUNOUME

plum blossoms at night

→よく販売しているのを見る、

ポピュラーな和菓子のイメージだけど

考えてみると、1色の羊羹にストーリーを

つけるなんて乙だなぁと思う。

よく見ると小豆の粒が入っていてそれが

梅らしいです。ちなみに『古今和歌集』の

「春の夜の闇はあやなし 梅の花 

色こそ見えね 香やは隠るる」という歌が

モチーフだそう。歌の意味は、

「春の夜の闇は無意味だ。梅の花の

色が見えなくなってしまうが、

その素晴らしい香りだけは

隠れようもない。」ということ。

 

 

 

注:雁の季語について

 

和菓子「初雁」の季語は秋だそうだけど、

雁の季語は複数あるという。

気になったきっかけは祖母が観ていた

NHK「古典芸能への招待」で

放送演目に「雁」のワードが出てきた時

演出では春を感じたけれど、秋の季語と

聞いたことがあった家族がいて

論争になったこと。

 

調べた結果、「雁」は秋の季語で

「帰雁」「雁行」は移動する鳥たちに

合わせて春の季語、ということが発覚。

 

スッキリ、と思いきや、

そういえば同じく和菓子の「落雁」も

「雁」の字を使うなぁとハタと気付き

追加調査。名前の意味自体は

「列をなして空から地上に降り立つ雁。

昼は飛んで夜は水上に降りてくる様子」

とのこと。季語は秋だが、

なぜお菓子の名前なのかも気になった。

勿論さらに追加調査してみた。

 

すると、いろいろ説が出てきて

干菓子が雁の降り立つ様子に見えたのは

昔は黒胡麻を混ぜていたから、

もしくは表に模様があるのに裏にはない

「裏寂しさ」が秋の雁のイメージに

という理由が古典っぽいワビサビ感?を

感じるため、個人的には正解としたい。

 

次回は和菓子デザインに挑戦してみたい

と思っていて、詳しくはまた今度。