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What's your well-earned books and cakes?

「古典とケーキ」を読了。

 

I read a book which recommends to match classical stories and treats and I learned that all book worms have their own "favorite" or "best" books . Each person can called them  "classical books"  regardless of the time and popularity , because they read them several times as old books. In addition, the more they read, the more they find new discoveries. In my view, it's simmilar to dishes, because many people made the same thing many times according to a recipe, but it changes taste by a chef, occasion and people who have it.

Also, both can heal people.

 

In this book, there're 12 books and cakes to be matched. My favorite one is Homer's  "The Odyssey" 

&lemon drizzle cake from chapter 6. It shows the epitome of life clearly. Also,  boiled red beans are the essential ingredient for japanese confectionaries and in chapter 7, they are chosen to match Takasue's daughter's "The Sarashina Diary". I recommend to try anko, the paste of red beans once to understand japanese spirits, "Wabi-sabi" . as Takasue's daughter's  "The Sarashina Diary" showed.

 

愛読書は読書人にとっての古典で

読み返したくなるもの、またその度に

新たな発見があるものであるように

ケーキも伝統のレシピがあって

繰り返し作られベイカーたちが都度

閃いた工夫を加えつ伝承してきた点で

似ていると気がついた。

人の一生よりも言葉で紡がれる書物や

レシピとして残される食べ物方が

長く続いていくのだなあ。

 

本書ではその中でも特に

イメージが重なる書籍とケーキの

マッチングが提案されているところが

よだれが出そうなほど楽しい。読了後の

目標としては著者のように実際に

ケーキを作って食しつつ、

文学の世界に想いを馳せること!

 

1.夏目漱石「文鳥」

&イチゴジャム

(Natsume Soseki "paddybird" 

&strawberry jam)

漱石は大のジャム好きで食べ過ぎて

胃潰瘍になったこともあると聞いた。

そのため本書では彼にとってのジャムは

"精神的生命維持装置"と表現していた。

 「文鳥」で主人公が溺愛する鳥への

愛情表現は人間の恋人と見まごうほどの

ラブコールだったけれどある意味、

漱石のジャムへの失着と同じと感じる。

特にジャムの中でも甘く感じられる

いちごジャムであれば

甘い言葉の胃もたれ感もぴったりと思う。

 

2.Shakespeare "Macbeth"

&shortbread

(シェイクスピア「マクベス」

&ショートブレッド)

"short"には「脆い」や「壊れやすい」

という意味もあると初めて知った。

マクベスとショートブレッドの共通点は

硬派な外見に反した脆さということだが

加えて飾り気がなさそうなのに複雑さを

兼ね備えているところがあると思う。

 

マクベスでは人の欲望だったり心理の

ショートブレッドではしょっぱいような

穀物の甘さを感じるような素材の

複雑さがある。

 

3.近松門左衛門「心中天の網島」

&ブランデーケーキ

(Chikamatsu Monzaemon

"The Love Suicide at Amijima"

&brandy cake)

共通点はタイトルや料理名が

明確にそのものを表している点。

お酒入りの食べ物とうたうのはまだしも、

心中とタイトルについては、一発で恋愛して

最後に死ぬのだなとネタバレしてしまうため

それを理解した上でお知らせするなんて

面白いと思った。とにかく、恋も酒も

ハマるとやめられない中毒性で同じ、

という本書の指摘には同感。

 

4.Chekhov "Lights" and a trilogy

"The Man in a Case", "Gooseberries",

and "About Love"

&cassis muffin

(チェーホフの「ともしび」と三部作

「箱に入った男」「すぐり」「恋について」

&カシスマフィン)

チェーホフといえば恥ずかしながら

「かもめ」しか知らなかったのだけど

どの作品も同様に人生の空虚さを

皮肉を交え、表現していると感じた。

人生にはスグリのように元々は

酸っぱく苦みのあるものだけれど、

スグリジャムの様に手をかけると

甘かったりおいしくなる、らしい。

 

小説は新聞などとは異なり、

人間の心の動きが書かれているため

作品から著者の生き方を

知ることができるところが面白い。

 

5.George Owel "1984"

&oats cookies

(ジョージオーウェル「1984」

&オーツクッキー)

オーツクッキーは元々、

ローマでは良質な馬用のエサで

名馬に欠かせなかったという。

一方イギリスでは食用だったらしい。

(多分他の地域では食感のバサバサさ

から好まれてこなかったよう。

バサバサでも食べるのはイギリス人の

経済発展への貪欲さから?それとも…)

ともかく、栄養豊富で労働には

不可欠な食材だったことが伺える。

 

現在オートミールは健康食として

よく聞かれるけれど、浸透したのは

第二次産業革命中に加工技術の

発達によって調理しやすくなり

食べやすくなったからと聞いた。

”1984”のテレスクリーンの様な

デジタル感はないけれど

技術の発展によって浸透した物の例

としては同じとも考えられる。

 

テレスクリーンは見られる側の

プライバシーを守らなかったために

恐怖の技術として存在感を放つけれど

技術自体はとても便利だったと思う。

よく公共エリアの監視カメラや

店舗内に顧客データ収集のための

カメラを置くことへの賛否が

議論されるけれどプライバシーと

データ収集におけるグローバル化は

まだ解決に時間を要する気がする。

 

オートミールが人々の生活改善に

役立つように、デジタルは利便性や

それに伴う自由へのツールとしての

希望にもなる。しかし同時に

オートミールに頼るだけでは寧ろ

食生活の偏りとなるように

絶望に向かうきっかけとなり得る。

 

6.Homer "The Odyssey" 

&lemon drizzle cake

(ホメロス「オデッセイア」

&レモンドリズルケーキ)

odysseyはjourneyと同義で

長い旅という意味という。

実際ストーリーは主人公の放浪記で

人生をサバイバルすることで自分が

何者かを追究することにもなっていた。

 

レモンドリズルのdrizzleには

垂らすという意味があって実際

上から垂らされた甘いフィリングが

徐々に下にしみこんでいく。だから

下に行くにつれ酸味や苦みが

強くなり、2度楽しめる。

勿論、同じレモンドリズルでも

レシピによって達賞の違いはあると

考えられる。しかしながら共通として

”All in one method”というものがある。

つまり、はじめに全部の材料を

一気にボウルに入れて

作られるのが特徴だという。

 

いろいろな要素が1つにされても

レモンの味が何にも負けないのが

面白い。人生にはいろんなシーンが

あるけれど個々のアイデンティティは

変わらず主張できることに

似ている気がした。

 

7.菅原孝標女「更級日記」

&ゆで小豆

(Takasue's daughter "The Sarashina Diary"

&boiled red beans)

出来事の有無に関わらず、日記は

毎日つけられるもの。しかしながら

変哲のない日常にこそ

学ぶことが多いのではないかと思う。

普通の中にある、悲喜こもごもの

面白さを特に「更級日記」では

あえて作っているようでもあった。

それは昨今のSNSで充実した

日常を景色や食卓の写真などから

発信することと似ている気がする。

 

 和菓子の中でメジャーなものといえば

餡子が挙げられる。なぜならば大半が

小豆などを使用した餡を使用し

作られているからで、素朴だからこそ

作り手の愛情や美味しさなどの良さが

直に伝わると考えられる。

朝ドラ「カムカムエブリバディ」でも

主人公の1人、安子の実家は和菓子屋で

「おいしゅうなあれ」と愛情を込めて

炊かれた小豆は誰からも、時には

言葉の壁さえも越えて愛されていた。

 

更級日記の著者の本名は分かっておらず

菅原孝標の娘であることだけが

分かる名前で後世に作品も伝わっている。

歴史に名を残したものの

真の名前でないとは可哀そうだと

当初、私は思っていた。しかし

素朴な小豆の餡子が好かれるように

飾らない本当の人柄を好いて欲しいという

願いをもし、作者が持っていたら

気にしなかったのではないかとも思う。

 

寧ろ大事な名前だけで広まるより、

気持ちが伝わる日記で著者に

思いを馳せて欲しいと思っている気がした。

 

8.Voltaire ”Candide”

&Flap Jack

(ヴォルテール「カンディード」

&フラップジャック)

タイトルがフランス語で純真・無邪気に加え

初心で騙されやすいという意味も持つように

大学の授業で読み込んだ

カンディードの主人公は、はじめ

最善説に毒された若者だった。しかも

悪を経験し知り、自立していく過程で

次々と悪いことばかり起きるので

辛かった記憶がある。成人して私自身

少しは成長していると思っていたけれど

まだまだ無知なのかもしれないと思った。

 

カンディードに合わせたお菓子として

フラップジャックが挙げられているが

実は私にとって、留学先で初体験した

思い出のお菓子。町の小さなシアターで

手作りのものを頂いてとてもおいしかった。

フラップジャックは雑穀を

そのまま固めただけの大雑把なお菓子で

見た目は日本でいう雷おこしに似ている。

簡単に作れるため発祥のイギリスでは

家庭の駄菓子というイメージがあり

バターや甘さは誰しも病みつきになる。

 

食感のサクサクほろほろ感や

大雑把なレシピからも予想できるように

脆いお菓子で食べる際には

ボロボロしてしまうけれど、それでも

嫌いになれず家庭の味として定着した

存在感は、短所があっても好かれてしまう

世渡り上手な人に似ているかも。

 

9.世阿弥「夜鳥」「頼政」

&カントゥッチ

(Zeami "nocturnal bird", "Yorimasa"

Cantocci)

観阿弥・世阿弥については

室町時代の能楽師親子で

足利義満に庇護されていたことを

小学校で習ったものの、

作品がパッとは浮かばなかった。

 

今回挙げられている作品は2作品ある。

①「夜鳥」

源頼政に退治された物の怪、鵺(ぬえ)の

亡霊を旅の僧が成仏させる話。

②「頼政」

平家に敗れ亡くなった源頼政の亡霊が

旅の僧に自身の無念を語ったことで

成仏することができた話。

 

当初、物の怪を退治し世間では

ヒーロー扱いされていた頼政が、後に

世間から謀反の疑いで後ろ指をさされ

自害してしまうことから、ありありと

盛者必衰の様子が感じられる。

加えて、同じようなエピソードは歴史上

繰り返されるのだと分かる。

 

能自体も忘れ去られた後に、その良さを

改めて見いだされた文化であるし

特に世阿弥の作風は古典作品を再構成し

新たな解釈で能楽を生み出していて

文化とは繰り返しなのだと気付かされる。

 

以上の2作品を書物で読むことも

可能だけれど、やはり能の

舞台で鑑賞してみたいと思う。

しかし恥ずかしながら私は能鑑賞で

必ずと言っていいほど眠気に襲われる。

なぜか。鑑賞経験をお持ちの方には

恐らくご理解いただけると

信じているのだけれど、言い訳をすれば

音楽が”癒し過ぎる”ことが理由だと思う。

実際に能は音で楽しむものらしいので

聴き入ったまま眠りに落ちていることは

許してほしい。音が流れない間と

規則的な楽器や唄の音がとても心地いい。

 

対してお菓子で音が重要となるのは

やはり焼き菓子と考えられる。上記

世阿弥の2作品と比較されたのは

イタリア、トスカーナのビスコッティで

カントゥッチ(Cantucci)はというお菓子。

「小さな歌」を意味するイタリア語

カントッチ(Cantocci)が

変化してできた単語で、まさに

音に着目されたお菓子だと考えられる。

 

ルネサンス期にから伝わる伝統菓子ゆえ

シンプルに砂糖とアーモンドが

半々の分量で焼き固められるレシピ。

しかし、材料は少ないものの

ビスコッティのbisでも実は分かるように

2度焼きされているからだという。

咀嚼音がカリカリと子気味良い。

 

ビスコッティも歴史も繰り返して

形成されるもの、らしい。

 

10.Emily Bronte" Wuthering Heights"

&Ginger Perkin

(エミリーブロンテ「嵐が丘」

&ジンジャーパーキン)

 ブロンテ3姉妹の2番目である

エミリーの代表作。タイトルは直訳ながら

音感が良いと思う。エミリーが

詩人であることも相まって

雰囲気が合っていると思う。

※姉シャーロットは『ジェーン・エア』

妹アンは『ワイルドフェル屋敷の人々』が

それぞれ代表作として知られている。

 

舞台はタイトルから想像できるように

荒野でイギリスのヨークシャーを

イメージしている。実は私の留学した

リーズもこの地域だった。思い出すと

確かにいい意味でワイルドな

自然が残るエリアだった。しかしながら

荒地であるため、植物を栽培するのには

適さない土地であるという。

 

一方、ジンジャーパーキンの生姜も同じく

栽培に適さず、貴重な食材だったらしい。

だからか、その名前の割に

使う生姜の量は少ない。

しかしその割に強く生姜の味がする。

いかに生姜の威力が強いか・・・

 

 またジンジャーパーキンは

ヨークシャー地方伝統のお菓子だけど

イギリスの伝統行事である

ガイフォークスデーのお菓子でもある。

特にヨークシャー地方で食べられるのは、

その地方菓子ということの他に

行事の由来である議事堂爆破未遂事件の

容疑者、ガイフォークスの故郷なのは

関係があるのかないのか真意は分からず。

 

事件以後、事件を風化させないための

この行事は少し怖い。

彼を模した人形を引きずったり

燃やしたり、呪いのような行事にも思える。

でも嵐が丘のストーリーで漂う

嫉妬や呪いの雰囲気と似ていると

実は思っていて、この怪しげな雰囲気は

一度ヨークシャーを訪れた人にとっては

意外に落ち着く。呪術的な言わば

魔法学校が存在していても

おかしくない世界というところだろうか。

 

11. Stanisław Lem "Solaris"

&baked meringue

(スタニスワフ・レム「ソラリス」

&焼きメレンゲ)

 ポーランドの作家で執筆ジャンルが

未来SFであるためか、恥ずかしながら

未開の作品であり作家だった。でも

作品自体は現世の問題をもはらみ、

社会問題を彷彿させた。

心理学的か人間科学的というべきか。

星自体が巨大な生命体である

惑星ソラリスの謎に迫る科学者たちが

ソラリスの見せる、人間の記憶を基にした

幻想と現実に翻弄される話なのだけれど

結局彼らは自分自身の記憶で

苦しんでいただけだったと考えられる。

 

辛い記憶は残れば人を傷つける。だから

それを消去する術があれば楽になる人は

沢山いると思う。でも同時に

記憶があってこその現在でだとも思う。

 

ソラリスでは自身だけでなく他者の

記憶までもが映し出されるため

理解しあえない不便さを解消するけれど

同時に、他者に知られたくないことさえ

見えてしまう。知られたくないことが

相手を守るためであった場合、人は

完全には理解しあえない方がいいとさえ

思ってしまった。

 

因みにソラリスはOS製品の名前が由来で

コンピューター全体を管理・制御し、

便利な人工知能の名前はピッタリだった。

 

対し、今回著者が作品に合わせたお菓子は

焼きメレンゲだった。確かに食べた直後に

口の中に残る甘みの存在感は

人の記憶が長く残ることに似ていて

糖分によって人間が突き動かされる点でも

納得させられた。しかし個人的には

メレンゲよりも似ていて非なる

飴玉かな、と思う。缶入りで数種類入った

飴は口の中に入れてしまえば

誰が何味を食べているのか分からない。

同じ缶から出た飴だとしても

1つ1つ、味が異なるところで

同じ出来事に対しての人間の記憶が

1人1人異なることに重なると思う。

 

12.Montaigne "Les Essais"

&millefeuille

(モンテーニュ「エセー」

&ミルフィーユ)

 今では随筆集は沢山あるけれど

モンテーニュの生きた時代のフランスでは

珍しく、まさにエッセイの語源だという。

日常の感想文を集め、どこから

人間の存在という大義を問うていて

哲学的だと思う。実は、淡々と

人生における分からないことを純粋に

疑問に思い。記し書き上げた作品であるため

作品自体長いのだけど、読者に上から

何かを説くことは意外にもない。

 

だからこそ長編なのに止まることなく

時には共感しつつ読むことのできる作品で

小さな気づきや小さな疑問を日々

書き溜めたところは、まさに

何層にも積み重ねられたミルフィーユを

彷彿させる。またどちらもその

軽い口当たりで繊細なのにとても

食べ応えがある。

 

 

 

最後に

 

本書に出てきたケーキは甘いだけでなく

苦さや酸味を持つものもあった。

そう気付くと、やはり様々な事件が起きる

物語の世界と同じで"味わい"とは

惹きつける魅力が必要なのだと思う。

 

そしてそれは人生も同じ。

だから人生の良さは苦しみあって

初めて分かるもの、なのだと思う。

辛いことの次には良いことが来るはずで

例えば人生が長い1日ならば必ず、

おやつの時間が来るはず。

次の休憩には何を頂こう?と考えつつ

今を頑張りたい。