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BOOK review Jul. 2022

1つの事象が複数のインスピレーションを
産むことは多々あると思う。7月は
1を知って、10と言わずとも多々
考える機会を得たことが多かったので
それらを創り出した人たちのように
得た知識から私も何か産み出したい。

今のところブログで本執筆くらい、、?
完成させたいな。


※映画と本
美術展示と本
とか、取り敢えず○○と本で
学ぶことが多かったので読書の必然性は
大前提なのだと思う。


🎬📘

あの家に暮らす四人の女


1人では生きていけないことを理解して

支え合える人を見つけた時が初めて

大人になったと言えるのかもしれないと

思った。日常だけどドラマティックで

好きな話だった。細雪は勿論のこと

若草物語とか主要人物が4人かつ

女性のストーリーが結構

いい塩梅になりがちの法則があるのかな。

読んだ時に誰しもが自分に

重なるキャラクターを見出せるからかも。

山田さんの高倉健さん感と

熱血バトラーみたいなところ結構好き。


BSテレ東で放送された同ストーリーの

スペシャルドラマがParaviにあって

続けて見たら、特に女性たち4人は勿論

山田役の田中泯さんがハマってた!!

宗ちゃんのダメそうで愛嬌ある感じも

合ってた。ただ、宗ちゃんと多恵美が

別れる時には佐知と仲が良いカフェじゃなく行きずりの喫茶店、できればタバコ用の

マッチが置いてある純喫茶がよかった。


眼福ドラマ。雪乃役の永作博美さんは

巷で間違えられ顔じゃないし

佐知役の中谷美紀さんは老けと体型に

悩んでる感じはあまりなかったけど

ドラマなんで。女優さんなんで。


あとは3点気になった、、

①開かずの間の重要性とか歴史と

雪乃がそこを開けた経緯が雑だった。

あと鶴代に開けたことがバレる時の

BGMがオルガンなの微妙。

②鶴代とリフォーム業者の梶くんの

「事勿れ主義」っていう共通点が薄い。

特に梶くんの急接近の具合が不自然

③河童の川太郎を飾り付けすぎ!笑


でも総合的に好きな本の世界が

3D化されてて本からドラマに移行して

正解!!!!



📗🎬
なりきり訳 枕草子


「をかし」の意味はトキメキだと思う。
清少納言は華やかなものだけでなく日々の
何気ないものに喜びを見つけることが
得意だから多分、現在生きていたら
ジワジワ人気を博すインスタグラマーに
なれる気がする。なりきり訳だったからか
彼女がその姿で活躍するのを想像できた。

大学の講座で日本文化と映画についてを
学んだ時"Lost in Translation"と一緒に
教材として提示されたのが、枕草子を
題材とした"The Pillow Book"だった。
どちらも海外から見た日本文化として
自分が知っている日本とは違って
特に"The Pillow Book"は日本よりも
中国感があり、同じアジア圏だから
混同されている…と戸惑った。

例えば、かなりエロティックだったり
ミステリアスな映画だったけれど
本当に枕草子の世界を表現したかったら
私ならもっと無常感や日常感漂う
よりホームムービー味のある映画にする
気がする。調べてみたらこの
Peter Greenaway監督の映画以外に
枕草子を題材とした作品で
目立ったものはなかった。だから
今とっても勝手に自分なりに
アイデアを産みたくなってる!笑

🖋📚

愚かな薔薇

SFのようで大河小説や昔話でもあり

少女漫画を想起させるところもあった。

加えてミステリー要素もあるため

分厚いながら一気に読んでしまった。

後から知ったのだけど14年続けていた

連載をまとめた長編小説だという。

ハードカバー版で分厚さが約10cmも!

人間の理性がいとも簡単に

野性本能に圧倒されたシーンでは

もともと人間は動物であるように

種の繁栄のため、自らも知りえない

潜在能力を持っていると思った。

作者の恩田陸さんは作品の中で漫画から

インスピレーションを受けることが

多々あるらしい。本作品も萩尾望都さんの

ポーの一族の影響を受けていると

分析しているファンも見受けられた。

残念ながら私が手に取った図書館の冊子は

違ったけれど、萩尾さんがコラボして

表紙を手掛けられた冊子も存在するので

ファンが想像する以上に作中での影響は

強いかもしれないと思う。


私にとって萩尾さんといえば、以前

"花歌舞伎徒然草"を読んだ以外に

名作と聞いていたものの漫画に疎く

手に取ったことがないため

今回を機にいよいよ読まねばならぬと

思っている次第。ただし最近、実は

ebookでの萩尾さんと荒俣宏さんの

対談を見つけて読んでいた。キッカケは

今月行った、日比谷図書館での

鹿島茂秘書探訪展にて鹿島さんが

ゲストに荒俣さんを招いて対談されていて

チケットは取れなかったことで 笑

お話が面白く何でも知っている荒俣さんの

対談を他にも読んでいたところだった。

荒俣さんといえば妖怪やサブカルは勿論

少女漫画家を目指していたこともあり

当然萩尾さんとも話が弾んでいた。

嬉しいことに、萩尾さんとの対談では

初めて萩尾作品を手に取った人向けの

記事で、荒俣さんは漫画でも

文学のように文字で語る漫画と

表現されていたのが印象に残った。

つまり少女漫画創世記は

今までの勢いのある根性漫画とは異なって

"憧れ"""を描いていたと分かった。

さらには作家先生の存在自体も

時代を先ゆくファッションリーダー的な

役割があったらしい。そう考えると

漫画家になりたい!という女の子たちが

たくさんいたのにも頷ける。

今のアイドルやインフルエンサー的な

イメージなのかも。ebook対談記事


----------🎨📚

日比谷図書館の鹿島茂秘書探訪展に

感化され、地元の図書館で借りられるだけ

鹿島さんの本を借りた結果、以下2冊が

とっても面白かった。

1冊目は前から読んでみたかった作品。

2冊目は経済学的にふむふむとなった。

📚🎨----------


📕馬車が買いたい

馬車にこんなに種類があるとは。

馬の頭数、車輪の個数、または

座席の屋根の有無などの違いがあり

どの馬車を持っているかで

その人のステータスが分かるという。

今では鉄道など交通網の便利さゆえ、

馬車に代わって拡充している車を

持たない人も当たり前にいる。

しかし、馬車を使っていた当時は

通りの不潔さなどから馬車の必要性が

車と比較してかなり高かったと知った。

本書ではフランス文学に登場する

人物たちの経済状況を衣食住に加え

乗る馬車から炙り出すことで

更に小説の世界のビジュアルを

はっきりと想像させていた。

19世紀の人々は馬車を欲しがったけれど

今の人だったら何が欲しいと思うだろうか。コスパの良いもので溢れた世の中ゆえ

値段の高さでは計れない気もする。


📘デパートを発明した夫婦

ブシコーが19世紀に始めた

デパートにおけるマーケティングは

今でも通ずる機能を持っていて驚いた。

集客力のための投資方法や従業員の

働く意欲や品質の高め方は今よりも寧ろ

厳しいチェックを経ていると思う。

デパートが過ごしやすい場所となったのは

彼のマーケティングによるものと分かると

おばさまたちのテーマパークだけでなく

私にとっても涼しい夏の避暑地であり

とてもありがたいと思った笑

今のインフルエンサーマーケティングが

消費者の憧れから成り立っているのは

デパートが消費者の憧れの場所だから

人を集めたことが理由と考えると

必然だと思ったし

"憧れ"""の力を思い知った。