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BOOK review Sep. 2022

9月に読んだ本から

心に留めておきたくなったこと!

:個性こそが財産で才能であること

:文化は見えている部分だけじゃないこと

:本選びの心構えは出会いを大切にすること

:語彙は表現を豊かにすること

:世界は美術館で溢れてる


📗ロマンシエ

アーティストにとって

ユニークであることは

天才であることよりもはるかに大切だ

という言葉が好きだった。

個性を人から好かれて、

求められるようになるという

少々我儘な私の夢と合致していた。

主人公の昭和っぽさは

少々しつこいものの、直向きなところが

可愛らしくて乙女で

読んでいて楽しかった。

本筋から外れるが、巻末の冨田章さんの

(東京ステーションギャラリー館長)

特別寄稿に原田マハさんのHPについて

経歴ならぬ「自伝的プロフィール」が

面白く、とりわけその自伝の結末が

"人生のキーワードとは度胸と直感"

とされているらしい。

まさに本作の登場人物たちのようで

マハさんもロマンシエ(作家)なのだと

改めて思った。


📕リボルバー

予約を数百人待ちしていた念願の

原田マハさんの本だったため

正に一気読みをした。

ゴッホとゴーギャンの関係性に

フォーカスした作品で相変わらず

マハさんでないと書けないストーリーに

大興奮だった。アートの情報量と

様々な絵を長年、美術館に通ってこそ。


私自身2人の関係性について

ミステリアスな部分が多いため

絵のタッチなどからよく

想像してきたけれど、マハさんは

興味からだけでなくアートギークとして

2人の幸せを想像して物語を書いていて

とても素敵だった。

"リボルバー"は鉄砲だから少し

怖いイメージを持ちつつ読み始めたけれど

またマハさん作品に泣かされた。


絵やアーティストの謎に関わるアイテムが

まだ誰かの個人蔵にかもしれない思うと

アートの裏側のスケールにワクワクした。


📗さがしもの

本と出会うことは多くの人に出会うことと

よく分かった。その本に関わってきた

著者だけでなく、古本であれば今までの

持ち主に思いを馳せることもできる。

そう考えると読書をするだけで

人生はどんどん豊かになってしまうなあ!

と思ったし、本選びを楽しく感じた。

"手紙""旅する本"がとても好き。


📘文豪の凄い語彙力

文豪のエピソードも交え、言葉が

紹介されているので楽しく読めた。

覚えたいor使いたいと思った言葉が

多々あったので下記メモ。


①的礫:透けるように白く光るさま

日光・月光またはそれを反射する

水面などに使える!


②瀟洒:清らかで上品なさま

瀟々であれば激しい風雨を表し

2つ文字が連なるとエネルギーが

強くなると分かった。他の例であれば

風が音を立てて吹くさまを表す"颯々"

颯爽の爽やかさと対照に激しい。


③跳梁:好き勝手に振る舞うさま

悪人に向かって一度行ってみたい言葉。

"魑魅魍魎が跳梁跋扈しやがって!"

一生言う機会はないと思うし

悪人にあまり出会いたくはない。


📕妄想美術館

原田マハさんとヤマザキマリさんが

アート知識を語り合いまくる対談集。

面白い話尽くしで、例えば

"アートツーリズム"の企画を

実現して欲しいと思った!!

世界中の美術館でコラボレーションして

世界中のキュレーターによる

展覧会をしたら絶対楽しいと思う。


日本の美術館は混んでいるところに

沢山の人が並んで鑑賞するけれど

海外の美術館のようにスケッチしたり

感情を昂らせても良いのにと思う。

実際、イギリスに留学した時に見たのは

V&Aで床に座ってスケッチする学生。

ちょっと邪魔ではあったけれど

描いている人を含めた美術館の

雰囲気が好きだった。

あと美術館の雰囲気といえば

フランスのシャガール美術館で

気持ちが昂ってずっとキスしている

カップルがいたのを思い出した。

自由すぎる。でもなんか良い。


紹介されていた美術館で

行ってみたいのは、ドイツにある

インゼル・ホンブロイヒ美術館。

インゼルがドイツ語で島というように

広大な土地の中に展示品が点在し

ハイキングしつつ鑑賞するらしい。

自然もアートも楽しめるなんて

面白いと思った。行きたいのに

まだ行ってない、イタリアのベニスの

グッゲンハイム美術館も行きたいな。


また、お2人曰く、大人になって

面白い人間になった人の子ども時代には

必ず美術全集があるという。

私もその類だから面白い人間かな笑

好きなことを仕事にしたくても

仕事にすると自由に出来ないことが多く

楽しめない、でもその中で上手く

好きなことに関わって

面白く仕事するお2人にとても憧れる。

2人みたいになれたらいいな。